「AI時代のスタートアップ×知財戦略セミナー」インタビュー記事を公開しました!
今回、弊社代表の朝倉和彦が2019年11月27日(水)に開催致しました「AI時代のスタートアップ×知財戦略セミナー」の内容に関して、つなぐIP編集部にてインタビューさせて頂きました。
編集部:そもそもですが、知的財産とはどのようなものになりますでしょうか?
朝倉:特許、実用新案、意匠、商標や著作権等、アイデアや創作物など財産価値があり、権利として保護できるものが知的財産となります。知的財産権として財産的価値が生じることにより、無形固定資産となります。通常の財産は土地や車のように目に見えるものですが、知的財産の場合、発明やアイデアなどの情報の為、目に見えないという属性があります。
編集部:ありがとうございます。ちなみにスタートアップの知的財産意識はどのような事例がありますでしょうか?
朝倉:スタートアップにおいては、創業前に知的財産を経営戦略に組み込んでいる割合は医薬・バイオ系は約5割。IT系が約2割という統計が出ています。知的財産に関しては重要性が分からない、そもそも知的財産を分かる人がいない、人的リソースが足りない、特許を出したりする資金の余裕がないといった声を聴く事があります。
しかし、知的財産への意識が無い場合、自社のサービスが模倣されたり、他社の権利を侵害していたり、自社の技術の価値を証明したりする際等に、問題が発生してしまう事があります。
編集部:そういうことですね。スタートアップの知的財産においては、どのような問題が発生しがちでしょうか?
朝倉:スタートアップでよくある知的財産の問題の事例としては、サービス名を商標登録していなかったり、サービスのローンチ前にアイデアを公にしてしまったり、という事例があります。その場合、商標権や特許権などの権利として保護できる機会を逃してしまいます。
編集部:知的財産の重要性は、どのような点がありますでしょうか?
朝倉:知的財産に関してはきちんと意識をして戦略的に対応をしておかないと、場合によっては他社から権利侵害として損害賠償請求や、製品やデザインに対して差止請求など訴訟を受けてしまうリスクがあります。
編集部:知的財産戦略はどのような戦略となりますでしょうか?
朝倉:3つ挙げられます。まずは「オープン&クローズ戦略」、次に「知的財産管理体制の構築」、最後に「知的財産の権利帰属」という考え方があります。
まず、「オープン&クローズ戦略」に関しては、オープンにする技術とクローズにする技術を事業戦略に合わせて見極める必要があります。市場の拡大を目指すか市場の独占を図るのかで戦略も異なります。その上で、自社の技術を特許権として保護するのか?それともノウハウとして営業秘密管理をするのか?という進め方があります。
次に、「知的財産管理体制の構築」としては、知的財産管理業務フローの構築や、職務発明規程の導入など、自社の知的財産を把握し管理することや、特許を受ける権利が発明者にあるのか会社にあるのか明確にするなどの対応があります。
最後に、「知的財産の権利帰属」としては、契約を締結してしまうと後戻りができないため、共同研究契約、開発委託契約、秘密保持契約等の契約を結ぶ際は、知的財産の権利帰属を明確にするなどの対応が考えられます。
編集部:全体の総括をお願い出来ますでしょうか?
朝倉:いくつか大切な事がありますが、まずは他社の権利を侵害していないことが重要であり、そのための調査は大切です。そして、自社の技術は特許出願することだけでなく、ノウハウとすることも検討頂いた方が宜しいかと思います。その上で、知的財産管理体制の構築を行いつつ、信用獲得やPRに繋げて頂けるとさらに知的財産を活用できるかと思います。
編集部からのコメント
今回は弊社代表朝倉和彦のインタビュー記事でした。
編集部といたしましては、スタートアップにとっての知財戦略の重要性が分かる内容だったかと感じました。可能であれば、起業前から戦略を検討できると効果が大きそうです。
「AI時代のスタートアップ×知財戦略セミナー」ですが、好評につき12月にまた弊社よりセミナーを開催させて頂きます。追って詳細ご共有させて頂ければと思います。